南総里見八犬伝に登場する「名刀」以外の、相伝の家宝。
* 三つしか見つけていないが、もしかしたら他にも家宝があるかも。

[ 火遁の書 ]（くわとんのしょ）
　犬山家相伝の秘伝の書物。
　隠行五遁の第二法。奇字隠語（暗号）で書いてある。犬山道節（当時は道松）が十五歳の時に見つけ、三年がかりで解読。解読したことは誰にも告げず試すこともなかったが、犬山家滅亡後、復讐の軍資金稼ぎのために、修験者・寂寞道人肩柳として民衆に火定（火に焼かれる修行）を見せるために使用。文明十年七月七日早暁、犬士の群に加わると同時に邪法を羞じてこの書は焼却。

[ 嵐山 ]（あらしやま）
　千葉家相伝の尺八。
　ひとよぎり。寛正六年十一月、馬加常武の陰謀によって滸我成氏への献上品として粟飯原胤度に持たされ、胤度がだまし討ちにあった時に舩虫夫婦によって盗まれた。その後、買い手がつかないまま舩虫の家にあり、文明十年七月、犬田小文吾がかかわった時に発覚して、千葉介自胤のもとに戻った。

[ 箭返 ]（やがへし）
　扇谷定正の兜。
　家祖・國清寺佳山道昌（上杉安房守憲顯）が、等持院殿（足利尊氏）から賜ったもの。文明十五年一月二十一日、犬山道節によって射落とされた。